日鉄鉱業株式会社

新素材分野

粉体粒子表面へのナノ薄膜のコーティング技術

粉体粒子へのナノ薄膜コーティングにより、粉体の機能・可能性が広がります

様々な材質・形状を有した粉体の1粒子ごとの表面に、均一な厚みを有したナノ薄膜をコーティングする技術です。

特長

粉体粒子に光学効果、耐酸化性、耐熱性、電気絶縁性、導電性等の「プラスαの機能」を付与します。

光学効果

平滑かつ精密に制御されたナノ薄膜ナノストラータは、粉体粒子に優れた光学特性を付与します。

光干渉薄膜としてナノストラータを被覆した場合、基材粒子が不透明体であっても、膜が薄くても鮮やかな干渉色を示します。球状粉体であれば球体に、板状粉体であれば板状体に特有の干渉色を示します。

光反射膜としてナノストラータを被覆した場合、膜が薄くても高い光反射を示すようになります。また、蛍光体粒子にナノストラータを被覆すると、発光強度が向上します。

耐酸化性

ナノメートルスケールで制御された平滑なナノ薄膜ナノストラータは、粉体粒子に優れた耐酸性、耐酸化性や耐熱性を付与します。

酸や加熱によって容易に溶解、酸化や相変化してしまう粒子に、ナノストラータを被覆すると、優れた耐酸性、耐酸化性や耐熱性を示します。この性質は膜が平滑かつ緻密であってはじめて現れる効果です。

電気絶縁性

粉体粒子1粒毎にきれいに被覆することができるナノストラータは、粉体粒子に優れた電気絶縁性を付与します。

原理

溶液反応プロセスによる合成

溶液反応を利用してナノ薄膜を調製しています。溶液反応を利用すると、溶液中での基材粒子表面のエネルギーの寄与によって、基材粒子表面を均一に覆うように膜物質を析出させることができます。

そして液中で基材粒子の分散状態を保持しながら反応を進めることによって、粒子毎に精密なナノ薄膜を作製することができます。

ナノストラータ

粉体への膜被覆技術

溶液反応を利用して、粒子表面にナノ薄膜をコートする技術です。精密なナノ薄膜がコートされます。

特長

ナノメートルスケールで制御された平滑な薄膜により、優れた光学特性、耐酸性、耐酸化性や耐熱性を示します。

シリカ膜被覆

優れた絶縁性を示します。

チタニア膜被覆

平滑な銀膜被覆が得られます(触媒効果)。

適用分野・用途
  • シリカ膜被覆:電気的特性付与(絶縁性)、光学的特性付与(低屈折率膜)、化学的安定性付与(酸化防止)
  • チタニア膜被覆:光学的特性付与(高屈折率膜)、触媒効果付与

無機粉体内填紙の開発

機能性粉体を抄きこむことで、その特性を活かした紙を造る技術です。

当社は、機能紙に関する研究開発を行った経緯があり、紙に(無機)粉体を高配合する技術を確立しています。

この技術を駆使することで、「紙の特徴」と「機能性粉体の特長」を併せ持つ機能紙をご提案することが可能です。紙でありながら燃えにくい水酸化アルミニウム紙、湿度による寸法変化が小さい炭酸カルシウム紙は、この技術により開発・商品化したものです。

特長

  • 粉体を高配合率(50%以上)内填することができます。
  • 紙の特徴(ハンドリング、加工性など)を保ちつつ、粉体の特徴を最大限活かすことができます。

構造

パルプなどの有機繊維を主体とした紙に(無機)粉体を均等に分散させ、パルプと粉体の複合体を形成します。

原理

不燃紙(水酸化アルミニウム紙)のメカニズム

水酸化アルミニウムが有する温度上昇時の脱水反応を利用して紙に自己消火性を付与しています。

適用分野・用途
  • 製紙分野(製品として建築材料、電子材料分野)

特殊紙

無機粉体を高配合率で内填した特殊紙

特長

  • 水酸化アルミニウム紙:水酸化アルミニウムの吸熱・脱水反応を活かした、自己消火性を有する難燃紙です。
  • 炭酸カルシウム紙:セメントや石膏との接着性が良好で、湿度変化による伸縮が小さく、寸法安定性に優れた紙です。
  • クリスライト紙:多孔質粉体を配合した特殊紙です。水分や臭いなどを吸着する性能を有しています。
適用分野・用途
  • 水酸化アルミニウム紙:ハニカムコア原紙など
  • 炭酸カルシウム紙:断熱ボード表面材、金属サイディング用バッカーシートなど
  • クリスライト紙
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