気候変動への対応
2050年度カーボンニュートラルの実現へ
気候変動による社会・経済への影響は深刻さを増しており、脱炭素社会移行による気温上昇抑制への取り組みは世界中で加速しています。当社ではサステナビリティ委員会を中心にCO2排出量の測定とカーボンニュートラルに向けたCO2排出量削減の取り組みを推進しています。
2023年度のCO2排出量について
2023年度の国内CO2排出量はScope1とScope2合わせて247千t-CO2となり、2022年度と比較して約24千t-CO2の削減となりました。主な削減要因は、2023年度より購入を開始しているFIT非化石証書を用いた購入電力の実質再エネ化(約5千t-CO2、マーケット基準)とエネルギー使用量の減少により、エネルギー起源CO2排出量を削減(約18千t-CO2)したことに因るものです。また、石灰石を焼成して製造する生石灰の生産量が減少したことから、非エネルギー起源CO2が減少(約6千t-CO2)しました。
当社国内グループにおけるCO2排出量削減目標と実績※

- ※ 国内(グループ会社を含む)のScope1、2について「地球温暖化対策の推進に関する法律」にもとづく排出係数(マーケット基準)を用いて算定 ※ 算定内容の見直しに伴い、CO2排出量の実績を過年度に遡って修正
CO2排出量削減に向けた施策
ロードマップの実現に向けて各種の施策を推進しています。施策の一環として、2022年10月より本社(郵船ビル)の購入電力の全量を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えたほか、次の取り組みを実施しています。今後もCO2排出量削減に向けた取り組みを加速させていきます。
インターナルカーボンプライシング(ICP)制度の導入
当社グループの設備投資を対象に、2022年11月よりICP制度を導入しており、社内炭素価格を20,000円/t-CO2(2024年6月改定)としています。ICP制度は、設備投資計画に伴うCO2排出量に対して、社内炭素価格の適用により費用換算したものを投資判断の参考とする制度であり、低炭素投資、脱炭素経営に向けた設備投資を後押しする仕組みです。今後、自家消費用再エネ発電設備や省エネ設備など、設備の導入においてICP制度を適用し、CO2排出量削減に寄与する設備投資の促進を図ります。
自家消費用再エネ発電設備の導入
当社グループの各拠点において、再生可能エネルギー(太陽光、風力、小水力)による自家消費用発電設備の導入検討を進めています。鉱業所等の遊休地、工場建屋や事務所の屋根への設置について、技術的、経済的な面とCO2排出量削減効果について順次確認を進めており、ICP制度も利用し、設置可能と判断された箇所から発電設備の設置を進める予定です。
自家消費用再エネ発電設備 導入検討状況
種別 | 設置済 | 設置中 | 検討中 |
---|---|---|---|
太陽光 | 1 | 3 | 5 |
風力 | 0 | 0 | 1 |
小水力 | 0 | 0 | 3 |
FIT非化石証書利用による購入電力の実質再エネ化
2023年度から当社FIT太陽光発電所※1のトラッキング※2をつけたFIT非化石証書※3の購入を開始しており、購入したFIT非化石証書を利用して鳥形山鉱業所の購入電力の一部実質再エネ化を図っています。2023年度には約12千MWh分のFIT非化石証書の購入および購入電力の実質再エネ化を行いました。2024年度以降もFIT非化石証書の購入を行い、CO2排出量削減※4に取り組んでいきます。

-
※1
FIT太陽光発電所
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)に基づき、発電した電気を国が定める価格で一定期間、電気事業者が買い取る制度の対象となっている太陽光発電所 -
※2
トラッキング
発電所の属性情報(設備ID、発電設備名、設置者などの情報) -
※3
FIT非化石証書
非化石証書は再生可能エネルギーなど非化石電源の環境的な価値を証書にしたものであり、FIT制度対象の再生可能エネルギー発電所から発電された電気の非化石価値を証書化したもの -
※4
CO2排出量削減
「地球温暖化対策の推進に関する法律」における鳥形山鉱業所購入電力の排出係数(2024年度報告用)と非化石証書購入見込み数量より試算
その他、今後の取り組み
- 設備の効率化や省エネ技術導入
- 社有車のEV化推進
- 重機類のバイオ燃料化、技術革新による電化等
- 稼働鉱山の堆積場や鉱山跡地の緑化による森林吸収の増大
- 将来的に石灰石焼成由来CO2のCCUS等の新技術導入による削減