労働安全衛生
労働安全衛生方針
日鉄鉱業グループは、「安全はすべての事業活動に優先する」ことを基本とし、全従業員一体となって以下の方針に基づき労働安全衛生が確保される事業活動に取り組みます。
- 法令等の遵守
労働安全衛生に関する法令、社内規程等を遵守することはもとより、過去に発生した災害を教訓とした類似災害の防止対策やリスクアセスメントの継続的実施により安全な作業環境の構築に努めます。 - 教育・啓発の実施
労働安全衛生の意識向上のための教育・啓発を継続的に実施します。 - 快適な職場環境づくり
心身ともに健康的で衛生的な働きやすい職場環境の整備に努めます。
2022年10月28日制定
本方針は、当社グループの全従業員に加え、当社事業所に常駐する請負会社の従業員にも適用しています。また、本方針のもと、労働災害に関する定量目標を毎年設定してその達成状況を定期的にレビューするとともに、安全衛生委員会等を通じた労働者代表との協議を踏まえて安全衛生活動を運用しています。
推進・監督体制
保安環境部を安全衛生の統括部署とし、保安環境部担当取締役が全社の安全衛生に関する取り組み状況を監督しています。
経営レベルの監督として、保安統括者会議を毎年開催しています。同会議には、社長を含む全取締役、執行役員および各事業所の保安統括者が出席し、各拠点の安全成績、労働災害の発生傾向の分析ならびに再発防止策および改善対策について報告・審議しています。この会議を通じて、全取締役が安全衛生の状況や重要課題を把握し、改善対策の内容や進捗状況を確認しています。また、死亡災害や設備不備に起因する災害・事故については、事案に応じて取締役会に報告しています。加えて、災害状況については経営層に定期的に報告しており、関連資料は社外取締役を含む全取締役へ回付しています。これにより、全取締役が労働災害の発生状況や対応状況を継続的に把握できる体制を整えています。
保安環境部は、前年の安全衛生成績や課題を踏まえ、全社の安全衛生に関する方針および目標を毎年定め、各拠点の安全衛生活動を支援・指導しています。また、各拠点には保安担当者を配置し、保安環境部と連携して安全衛生活動を推進しています。毎年開催する保安担当者会議では、全社方針や各拠点の取り組み、労働災害に関する情報を共有するとともに、労働災害の再発防止策や安全衛生上の課題について協議しています。
さらに、各事業所には労使の委員で構成する安全衛生委員会を設置し、労働災害の防止対策、作業環境の改善、従業員の健康管理等について、労働者代表と定期的に協議しています。
労働安全衛生リスクの評価と管理
リスクの評価と管理
当社は、既存の事業所における労働安全衛生リスクを継続的に評価・管理しています。年間計画にもとづく保安巡視、各拠点での危険予知訓練(KY活動)、および必要なリスクアセスメント(現況調査)を通じて、作業に潜在する危険源を特定し、対策の優先順位づけと除去・低減を行っています。保安巡視では、過去の災害対策の維持状況、作業手順書の整備・運用、設備・作業環境の不安全状態の指摘と改善結果の確認等を行っています。
新規作業の開始時および新規設備の導入時には、事前に労働安全衛生面のリスク評価を実施し、その結果を作業計画、作業手順書に反映しています。
また、当社事業所で行われる請負作業についても、作業内容に応じた安全管理を行っています。非常駐請負従業員については、作業開始前の新規入場者教育、必要書類の確認、保安巡視時の指示等を通じて、安全な作業環境の確保に努めています。
災害発生時の対応
労働災害が発生した場合は、休業を伴わない労働災害や物損事故・交通事故も含め、発生状況や発生原因を究明し、その結果に基づく再発防止対策を策定・水平展開しています。調査結果と対策はグループ内で共有し、各拠点の危険予知訓練にも反映することで、類似災害の防止につなげています。
取り組み
鉱山業は保安上のリスクが相対的に高い業種であり、当社は長年にわたる作業手順・安全設備基準の整備や保安教育の拡充を通じて、災害の低減に取り組んできました。一方で近年は、労働人口の高年齢化と人材の流動化を背景に、災害の増加・重篤化の兆しが見られます。2023年以降、軽傷以上のり災者の高年齢層の割合が高まっており、加えて経験年数の浅い従業員の災害リスクも継続して高い状況にあります。
当社は、これを高齢化が進む社会において向き合うべき構造的な課題と捉えています。そのため、過去の災害を教訓とした類似災害の防止に加え、従業員が「エラーしにくい」「エラーが災害につながりにくい」職場づくりへと保安活動の重点を移しています。具体的には、エイジフレンドリー(高年齢労働者への配慮)の視点やデジタル技術を取り入れた設備・作業環境の見直し、キャリア採用を含む経験の浅い従業員への保安知識・技術の習得機会の提供、そして管理者層への災害事例の分析・共有を進めています。
こうした取り組みを、トップダウンの活動にとどめず、各職場での「自主保安の風土醸成」として根づかせることで、全社的な保安水準の底上げを図っていきます。
労働安全衛生の目標と実績評価
当社グループは、労働安全衛生に関する重点目標とKPIを毎年設定しています。2025年は、グループ全体※の達成目標「休業災害ゼロ・り災者数15名以下」に対し、休業災害11名(重傷6名、軽傷5名)、り災者数22名であり、目標未達となりました。
この結果を踏まえ、2026年のグループ全体の達成目標を「休業災害ゼロ・り災者数15名以下」と定めました。さらに、中長期目標として「休業災害(強度率)の減少」および「完全ゼロ災害達成事業所の増加」を定めています。
この目標のもと2026年は次の5項目に重点的に取り組みます。
- 保安教育や研修、講習を通じて保安技術と危険感受性の向上を推進
- 作業手順書とその遵守に係る管理を強化
- 各拠点の安全管理体制の向上と保安柵など安全設備の設置を確認・支援
- リスクアセスメント(現況調査)の実施を推進
- 高年齢労働者を含む労働者のエラー防止を図った環境設計を推進
※グループ全体には、当社グループの役員・従業員のほか、常駐請負従業員および当社の管理下で作業する非常駐請負従業員を含みます。
労働安全衛生実績
労働安全衛生に関する詳細な定量データは「ESGデータ集」に掲載しています。
