日鉄鉱業株式会社

対処すべき課題

1.今後の
見通し

今後の見通しにつきましては、地政学的リスクの高まりによる資源・エネルギー価格の上昇や人件費の高騰による物価の高止まりに加え、米国通商政策による関税引き上げの影響などにより、金融資本市場の大幅な変動や内需の冷え込みが懸念されるなど、予断を許さない状況が続くものと考えられます。

また、鉄鋼メーカーの構造改革や脱炭素社会の実現に向けた政府・民間企業の取り組みによる影響など、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変化しております。

2.対処すべき
課題

当社グループといたしましては、このような経営環境に対処し、なお一層の販売の強化、生産性の向上、諸経費の削減、BCP(事業継続計画)の充実及びサステナビリティの推進など、経営体質の改善・強化を図り、事業基盤の強化・拡充に取り組み、業績の向上及び持続可能な社会の実現に努めてまいります。

さらに、将来にわたり、基幹産業への原料供給という重責を果たし続けるとともに、株主、取引先、地域社会、従業員などのステークホルダーとの共栄に資するため、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、コーポレートガバナンスの充実を推進してまいります。

また、当社グループでは、サステナビリティの推進に積極的に取り組んでおります。2050年カーボンニュートラル実現を目指し、設備の効率化や省エネ技術の導入、鉱山跡地への緑化、社有林の森林認証取得及び自然エネルギーを利用した発電等を行っており、今後とも環境に配慮した事業活動に取り組んでまいります。

加えて、当社グループが競争力を維持し発展するための礎を築くため、人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことを目的に、企業価値創造に資する取り組みを推進してまいります。

3.第3次中期経営計画の
進捗状況

2024年5月に公表した2024年度〜2026年度を対象とする第3次中期経営計画では、長期ビジョンとして2033年度のありたい姿と、その達成に向けた第3次中計期間中の基本方針を示しております。

長期ビジョン(2033年度のありたい姿)

資源の開発・安定供給を通じて社会に貢献するとともに、
「総合資源会社」としてグループの総合力を発揮し、持続的成長を実現する。

2033年度の経営管理目標

ROIC(投下資本利益率) 7%以上

第3次中計の基本方針

  • ROIC経営を導入し管理にあたるとともに、全社から各セグメント、各セグメントから各事業所単位への浸透・定着と資本効率の向上を図る
  • アルケロス鉱山の開発を着実に進め、操業開始を実現する
  • 鳥形山を中心とする石灰石供給体制の最適化に取り組む
  • 新市場開拓(石灰石・ポリテツ)に向けた取り組みを推進する
  • 権益(Major/Minor)やアプローチ(Green Field/Brown Field)にこだわらず、新規資源の確保と開発に取り組む

第3次中計の初年度となる2024年度は、ROIC経営の導入と浸透を重点施策として取り組んでおります。ROICは、各セグメントだけでなく、各事業所並びに関係会社別に算出し、各責任者に現状把握を促すとともに、課題の洗い出しと対応策の検討・実行を進めております。短期間で一定の効果が見込まれるものには機動的に対応するとともに、中長期的な取り組みを要するものは、経営会議や関係会社中期経営計画審議会などの社内の重要な会議で、長期ビジョンの経営管理目標であるROIC7%以上の達成を意識した計画を審議・策定するなど、実効性及び影響度を判断しながら取り組みを進めております。

資本コストや株価を意識した経営への取り組みでは、2024年7月に広報・IR課を新設し、専任の担当者を置くなど、IR・SR面談などに積極的に取り組んでおります。また、資本市場の動向や株主・投資家との対話を踏まえ、自己株式の取得や、新しい株主還元方針と政策保有株式の縮減方針を策定し公表しております。

引き続き、PBR1倍超えを目指し、資本コストの低減、株主還元の拡充及び資本効率の向上に取り組んでまいります。

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