日鉄鉱業株式会社

業績の概況

2024年3月期の業績について

当期におけるわが国の経済は、社会経済活動の正常化が進み個人消費の回復やインバウンド需要の増加等による持ち直しが見られたものの、資源・エネルギー価格をはじめとする物価の上昇や世界的な金融引き締めの長期化、国際情勢の緊迫化による海外景気の後退懸念に下押しされ、景気は力強さに欠ける状況で推移いたしました。

このような経済情勢のもと、当社グループにおきましては、資源事業及び機械・環境事業等における増収により、売上高は1,668億8千4百万円(前期比1.7%増)と前期なみでありました。

損益につきましては、金属部門等における減益により、営業利益は111億7千7百万円(前期比18.0%減)、経常利益は120億5千6百万円(前期比8.7%減)とそれぞれ前期に比べ減少いたしました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、保有株式の売却益の減少に加え、税金費用が増加しましたことから、66億2百万円(前期比32.5%減)と前期に比べ大幅に減少いたしました。

配当につきましては、当社の株主還元方針である「自己資本の充実と株主還元の最適なバランスを図りながら、長期安定的な配当を実施する」を基本方針に、連結業績を勘案しながら、連結配当性向40%を目途に利益を還元することとし、また年度末時点のPBRが1倍未満の場合には、時価換算DOE(※1)3%を配当下限値とし、年度末時点のPBRが1倍以上の場合には、DOE(※2)3%を配当下限値とすることを踏まえ、1株につき85円とさせていただきました。この結果、中間配当金84円とあわせた年間配当金は、1株当たり169円となり、連結配当性向は42.6%となります。

今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善や株高による資産効果などを背景に景気の持ち直しが見込まれる一方、人手不足の深刻化に加え、ウクライナや中東、中国をはじめとした不安定な国際情勢に伴う資源・エネルギー価格の高騰や原材料・資機材の調達難が懸念されるなど、予断を許さない状況が続くものと考えられます。また、鉄鋼メーカーの構造改革や脱炭素社会の実現に向けた政府・民間企業の取り組みによる影響など、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変化しております。

当社グループといたしましては、このような経営環境に対処し、なお一層の販売の強化、生産性の向上、諸経費の削減、BCP(事業継続計画)の充実及びサステナビリティの推進など、経営体質の改善・強化を図り、事業基盤の強化・拡充に取り組み、業績の向上及び持続可能な社会の実現に努めてまいります。

さらに、将来にわたり、基幹産業への原料供給という重責を果たし続けるとともに、株主、取引先、地域社会、従業員などのステークホルダーとの共栄に資するため、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、コーポレートガバナンスの充実を推進してまいります。

また、当社グループでは、サステナビリティの推進に積極的に取り組んでおります。2050年カーボンニュートラル実現を目指し、設備の効率化や省エネ技術の導入、鉱山跡地への緑化、社有林の森林認証取得及び自然エネルギーを利用した発電等を行っており、今後とも環境に配慮した事業活動に取り組んでまいります。

加えて、当社グループが競争力を維持し発展するための礎を築くため、人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことを目的に、企業価値創造に資する取り組みを推進してまいります。

株主の皆様には、今後とも一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申しあげます。

2024年6月

※1.時価換算DOE=1株当たりの年間配当金÷年間平均株価(日毎終値の単純平均)

※2.DOE=1株当たりの年間配当金÷1株当たりの年度末連結純資産額(非支配株主持分除く)

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