現場の視点で、
取引先との
信頼関係を築く

H.T

入社12年目
文学部 史学地理学科卒
本社資源営業部 鉱石課 主任

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日鉄鉱業の「顔」として、鉱石を販売

鉱山で採掘された石灰石をはじめ、非金属鉱石の“販売”を担っているのが、資源営業部です。中でも、私の所属する鉱石課では、鉄鋼・セメント・化学メーカーに向けた石灰石などの鉱石商品の販売から、石油・石炭などの燃料商品まで取り扱っています。日鉄鉱業グループ全体で年間1,600万トン以上も販売されている石灰石は、当社の主力商品です。資源営業部員の役割は多岐にわたり、担当商材の市場調査から販売戦略立案、取引先との価格や数量に係る契約の締結、それに伴う鉱山の現場担当者との生産・販売量の調整、加えて日々の鉱石商品の配船業務に至るまで、幅広い業務を担っています。
そんな中、主に私が担当している業務は、石灰石の営業活動と輸出関連業務です。営業活動としては、鉄鋼・セメント・化学メーカーの一部の取引先を担当しています。取引先との売買契約締結や更新業務、石灰石を輸出するための配船手続き、さらには客先の製鉄所などを訪問して石灰石の使用状況を確認することなども、私たちの仕事です。また、輸出業務では、オーストラリアや台湾にある現地事業所のフォローや、輸出用船舶の手配、輸出関連書類の作成なども担当しています。
事業の性質上、石灰石の取引は長期にわたるとともに、そのフロントに立つのは私たち営業です。そのため、日鉄鉱業の「顔」として、誠実かつ丁寧に取引先と接することを何よりも心がけています。その一方で、どうしても対応ができない要望に対しては、社内外問わず、毅然とした対応をとることも大事にしています。

現場の状況が思い浮かぶからこそ、取引先に説明できる

本社で営業担当として働くうえで、仕事の基礎となっていることは「鉱山の現場での勤務経験」です。
私は、入社以来、高知県の鳥形山鉱業所と大分県の大分事業所という二つの石灰石鉱山の現場を経験し、石灰石の出荷業務を担当していました。具体的には、まず本社や支店の営業担当者が受注する取引先からの注文に対して、鉱山の生産部門と調整をしながら在庫を確保します。そのうえで、船舶での出荷作業に関して、本社の営業担当者や、輸送業者や代理店、さらには荷役業者などの方々との調整を行っていました。また、取引先ごとに決められている規格に合わせた品質チェックや、輸出船への対応も業務の一つでした。
こうした鉱山での仕事内容や生活スタイルは、経験してみて初めて理解できる部分が多かったです。現在勤務している本社では、営業として取引先に対し、自社鉱山が持つ能力や特長をプレゼンしつつ、その他にも鉱山現場は自然に相対しているので、天候や立地条件などによる制約も説明しなければなりません。鉱山の現場を実際に経験したからこそ、特長や制約について、細部まで説明ができていると実感しています。また、現場への深い理解は、先輩の指導によるところも大きいです。当時は「現場を見ろ」と口酸っぱく言われていました。ここで言う“現場”とは、実際に採掘が行われる採掘切羽（きりは）から、プラント設備、石灰石の貯鉱場などの幅広い範囲のことです。石灰石は自然由来のものであり、天候などによって水分や泥の付着、色目などの状態が毎日変化します。そのため、在庫の数量が帳簿と合わないこともあり、定期的な状況確認が欠かせません。以前、書類作成に追われて現場を見ることができなかった時、出荷品の状態や品質を本社の営業担当に正確に伝えられず、取引先からのクレームになりかけたことがありました。だからこそ、本社の営業担当になった今、現場担当者との密なやり取りを大切にしています。

幅広い仕事に挑戦し、いずれはグローバルな人材を目指して

私は、大学時代に地理学を専攻し、地質について学んでいました。そのため、地質調査から行う日鉄鉱業の仕事のスタイルそのものに魅力を感じたことはもちろん、鉱山開発プロジェクトなどの話から窺えるスケールの大きさにも深い興味を抱き、入社を決めました。また、学生時代から海外で働きたいという想いを持っていたので、広く海外展開している日鉄鉱業なら、そのチャンスもあるだろうと感じたことも決め手の一つです。そして現在、中堅社員の域に入ったばかりの私ではありますが、幅広い業務と責任を持たせてもらえており、仕事のやりがいにつながっています。将来は、グローバルに対応できる人材として、鉱山の開発プロジェクトなどにも携わっていきたいです。
そんな私たちが行っている「営業活動」では、新規開拓を目的としたいわゆる“飛び込み”営業は基本的にありません。その理由は、鉱山の鉱量や生産能力がある程度決まっていて、その限られた範囲内で貴重な資源を必要としてくれる取引先に供給しているからです。このような鉱山や石灰石の特長をよく理解してくれているそれぞれの取引先との付き合いは非常に長く、強固な関係性です。そのため、人と長期的に信頼関係を構築できる誠実な方に来てもらえたらと思っています。また、鉱山の性質上、長期的な視点から物事を考えなければならないものの、昨今は時代の変化も早いので、過去の習慣にとらわれない柔軟な思考をお持ちの方と、一緒に働きたいと思います。