WORKLIFE BALANCE
SESSION
ワークライフバランス座談会

ワークライフバランスの実現が重要視される現代において、これまでよりも柔軟な労働環境のあり方が企業に求められています。それに伴い、日鉄鉱業は社員が安心して働けるように様々な制度を充実させてきました。今回は、「育児休業」や「育児時短勤務」、「子の看護休暇」といった制度を実際に活用して、仕事と家庭生活のバランスを保ってきた4名の社員に、日鉄鉱業におけるワークライフバランスについて話し合ってもらいます。

R.H
尻屋鉱業所 生産課
入社10年目(新卒入社)
M.U
本社経営企画部
サステナビリティ推進課
入社8年目(新卒入社)
R.O
本社総務部 不動産課
入社6年目(キャリア採用)
T.O
本社経理部 決算課
入社5年目(キャリア採用)

TALK 01

現在のお仕事を教えて下さい

R.H
私は青森県にある尻屋鉱業所でプラントエンジニア職(機械)として勤務しています。石灰石を破砕・加工するプラント設備の管理と石灰石の生産管理をしています。仕事をするうえで、プラント設備に関する機械系の知識や技術だけではなく、人とのコミュニケーションも大事にしています。日々の保守・点検を怠らなければ、プラント設備は安定的に稼働しますが、急な故障などにより、修理対応やイレギュラーな生産管理を強いられることもあります。これらを乗り越えるためには、日ごろから部署を横断する「人」との繋がりを大事にし、鉱業所一丸となり問題に対処することが欠かせません。
M.U
私は、本社経営企画部サステナビリティ推進課に所属し、主に外部向けの情報開示資料を作成しています。具体的にはステークホルダーである株主などに向けて開示する「統合報告書」を取りまとめています。統合報告書は財務情報に加え、ESGに関する会社の取り組みや会社のビジョンなどの非財務情報を多く掲載している点が特徴です。各情報は経営企画部だけでは把握しきれないため、各部署に依頼し、資料を完成させる必要があります。そのため、私もR.Hさんと同じく「人」との繋がりを大切にしています。他部署の方と円滑に情報交換できる関係性を構築し、ミスのない分かりやすい資料を作成できるように努めています。
R.O
やはり、円滑に情報交換することや協力することって大事ですよね。私は本社総務部不動産課に所属し、当社が扱っている不動産物件を運用しています。老朽化した物件の修繕計画の立案や突発的な不具合への対応、当社物件に入居するテナント様との契約協議など多岐にわたります。当課がこれらの不動産事業の業務を主に担っていますが、当課単独ではなく、様々な部署や事業所、グループ会社と連携・協力することで事業が成り立っています。私は前職で不動産会社に勤めており、そこでの経験を活かせる仕事に就きたいと考えていました。当社の方が、物件の場所や種類が豊富で様々な経験を積むことができるので、大変な反面楽しく仕事ができています。
T.O
私もR.Oさんと同じくキャリア採用です。現在、本社経理部決算課に所属し、前職と同じ経理の仕事をしています。月次・年次決算や固定資産の管理、日々の伝票処理など色々な業務を担当しています。経理の仕事は、各部署から提出される資料を確認するなどどちらかというと対内的な仕事が多いですが、皆さんと同じように「人」とのコミュニケーションはとても大事だと思います。伝票や資料に記載されている数字を見るだけでは、その背景を掴みきれません。「どうしてこの数字になったのか」、「そもそもこれは何にお金が使われているのか」など聞きたいことがあったらすぐに聞けるように、普段から部署の垣根なく、コミュニケーションを図るようにしています。当社の社員は穏やかなタイプの方が多いので、仕事がしやすいと感じることが多いです。

TALK 02

ワークライフバランス実現のために、
実際に活用した制度をご教示下さい

R.H
私は4人の子どもがいます。3人目と4人目の子供が産まれた際に「育児休業」を取得しました。3人目の時は約4か月、4人目の時は約3か月取得しました。育休中は子どもの世話や家事、お互いの実家を訪問するなど家族との時間を十分に確保でき、仕事を忘れて有意義な時間を過ごせました。さらに、育休終了後に子どもが熱を出して入院した際は、「子の看護休暇」を取得しました。印象的だったのは、「子の看護休暇」を取得するシステムがとても簡単で、複雑な手続きがなかったことです。当社の場合、「子の看護休暇」は法定をはるかに上回る制度になっていることも魅力の一つですね。
M.U
確かに、制度を活用する手続きがスムーズですよね。私は「出産前後の産前産後休暇」、「育児休業」、「子の看護休暇」のように様々な制度を活用しています。子どもが1歳半になるまで保育園に入園できなかった時には、規程の範囲内で育児休業期間を延長するなど融通の利いた制度に助けられました。さらに、「子の看護休暇」を取得すれば、有給休暇を消化せずに子どもの面倒を見ることができるので、とてもありがたい制度です。
R.O
お二人と同じように、私も「育児休業(3か月)」と「子の看護休暇」を取得しました。夫婦にとって初めての育児でしたので、夫婦で一緒に育児に向き合えた時間はとても貴重でした。産後すぐは女性の体調が不安定になりやすいので、育児休業を男性が取得することにより、お互いに助け合える環境が整うことは望ましいと実感しました。また、「子の看護休暇」は子どもが体調を崩した際の看病はもちろん、予防接種や健康診断の際にも取得できるのはとても助かります。丸一日かからない通院などの際に、有給休暇とは別の「子の看護休暇」を取得できることで、有給休暇を家族での外出に充てることができるのはとてもいいですね。これらの制度があったことにより、生活を上手く維持することができたのだと思いますね。
T.O
私は「産前産後休暇」「育児休業」「子の看護休暇」に加え、「育児時短勤務」を活用しています。「育児時短勤務」は1日の就業時間を5時間30分まで短縮できる(通常勤務は7時間15分)制度です。我が家では、朝は夫が子どもを保育園に送ってくれますので、夕方は私がこの制度を活用し、仕事を早めに切り上げ、子どもを迎えに行っています。夫婦間で役割分担できるので、とても助かっています。

ワークライフバランス実現の
ための制度例(一部)

  • 産休・育休制度

  • 結婚休暇

  • 忌引休暇

  • 分娩看護休暇

  • 転勤休暇

TALK 03

日鉄鉱業のワークライフバランスに関する制度は、
優れていると思いますか?

R.O
以前から育児休業や子の看護休暇を取得しやすい風土でしたか?
R.H
私は「育児に関する制度を使う」という考えが正直あまりありませんでした。特に現場がある鉱業所ですと、現場に行かなければ仕事が進みませんし、私が不在になり、一定期間欠員が出ると上司や同僚に負担がかかると思い込んでいたものですから・・・。ただし、3人目が産まれる際に、家族の状況を考えると、育児休業を取得するほかありませんでした。実際のところ、鉱業所の人事担当者と一緒に育児休業制度を勉強しながら、申請した記憶があります。申請自体は思いのほかスムーズに終えることができました。
R.O
使ってみるまでは、意外とわからないものですね。
R.H
本当にそうでしたね。ただ、私のように実際に育児休業を取得した社員は制度内容を理解できていると思いますが、取得経験がない社員にとってはまだまだハードルが高いかもしれません。折角良い制度があるので、制度自体の認知度や制度の内容をもっと全社的に共有できれば、取得する男性社員が増えてくると思います。それもこれも、育児休業を取得することで芽生えた視点ですので、長期間にわたり取得させてもらった職場の上司や同僚にはとても感謝しています。
M.U
確かに育児休業を取得する社員の仕事を周りがフォローしていく体制は必要ですよね。少しずつではありますが、整いつつある気がしています。また、私は先輩社員が育児休業を取得したという話を聞いたので、「それなら自分も取得してみよう」と思えたことが大きかったです。
T.O
私も同じです。当社では、会社の規模感も相まって、ワークライフバランス制度を活用しやすい雰囲気があると思います。以前勤務していた会社の話になりますが、当社よりも社員数が少ない会社だったので、長期の育児休業を取得しづらい環境でした。男性社員は取得できても1か月間取得できたらいいかな、くらいでした。当社は上司や同僚に「育児休業」や「子の看護休暇」に理解がある方が多いので、そのような制度を活用しやすいと思います。
R.O
T.Oさんと同じように、私も前職の時は制度があってもあまり使わないという雰囲気でした。当社の場合は、「どんどん使いなよ~」という雰囲気ですので、仕事の調整をしながら、気兼ねなく使える点は魅力的ですね。
M.U
多くの男性社員が「育児休業」を取得する環境になりつつあるのは当社のいいところではないですか?地域の子育て支援センターで他のママさんから聞いた話だと、旦那さんが「育児休業」を取得している家庭はほとんどないらしくて。
R.O
そうなんですね。会社の雰囲気によってかなり異なるものなんですね。これまで話に出てきた制度ももちろんですが、子どもがいる社員にとっては「在宅勤務」制度もすごく助かりますよね。子どもを保育園に通わせていると、途中で熱を出して迎えに行かなければならない、なんてこともありますから。会社からだと迎えに行くのに時間がかかってしまいますが、「在宅勤務」だったらなんとか対応できます。我が家では夫婦同士で在宅勤務を織り交ぜることで、子どもに何かあったときにいつでも対応できるようにしています。
M.U
本当にそう思います。子どもが小さい間は、就業時間どおりに勤務することが思いのほか難しくなりますよね。ですから、「産前産後休暇」や「育児休業」のような「休み」だけでなく、「在宅勤務」や「育児時短勤務」のような「勤務制度」は仕事と家庭生活の両立のためには欠かせないので、とても助かります。
T.O
そうですね。「在宅勤務」時は削減できる通勤時間を家事や子どものお迎えの時間に充てることができるので、とても助かっています。制度の内容は当然ですが、制度を活用できる社内の雰囲気があるかどうかもとても大事ですよね。制度と社内の雰囲気がある程度確立されているのは大変ありがたいですよね。
R.H
色々な制度があり、少しずつ制度を活用する社員が増えてきていることはとても良いことだと思います。ただし、当社は事業内容や拠点が他の業界・会社とは大きく異なります。当然これまで話に出た制度を設け続けることは重要ですが、それと同時に当社の特殊な環境に合った独自の制度などが今後確立されていくと、より一層働きやすい環境になっていくはずです。

ワークライフバランス関連のデータ

  • 育休取得率

  • 育休からの復職率

  • 有給休暇取得率

TALK 04

「もっとこうなればいい」「こういう制度があればいい」
と思う点はありますか?

M.U
私はフレックスタイム制度を導入してほしいですね。今は部署限定で試験的に導入しているようですが。夫の会社はフレックスタイム制度を導入しているので、保育園の送迎をしてくれており、とても助かっています。
R.O
私もフレックスタイム制度の導入を希望しますね。職種によっては導入が難しいかもしれませんが、全部在宅で仕事をするのではなくて、会社で仕事をして、残りを在宅でするといった柔軟な仕事の進め方ができると助かります。
T.O
私もフレックスタイム制度で働けるといいのですが、経理の仕事上、繁閑期があり、どうしても難しいですね。その分、在宅勤務などを活用して家庭生活とのバランスを保つようにしています。
R.H
鉱業所全体にフレックスタイム制度を導入するのは難しいかもしれませんね。やはり現場があり、プラント設備が稼働している時間帯は管理者として現場にいないといけませんからね。部署や職種によって相性があると思いますので、フレックスタイム制度を導入・活用できる部署や職種は前向きに導入してもいいかもしれませんね。
T.O
個人的には、転勤の時期などを前もって把握できると、ライフプラン・キャリアプランを計画しやすくなるかなと思いますね。私は、「転勤を通して色々な地域に行ける」という点も魅力に感じて当社に入社したので、家族との生活のバランスを取りつつ、色々な地域に行って、当社でしかできない新鮮な経験を積みたいと思います。
M.U
私もそう思います。転勤するとなると、引っ越しや子どもの転校などの手続きがどうしても多くなってしまいますからね。時期を前もって把握できると、転勤前後のプランをより立てやすくなると思います。
R.O
確かに、一人暮らしのときと家族がいるときでは、自分を取り巻く環境が大きく異なるので、転勤の大変さも変わってきますよね。
T.O
当社には色々な制度がありますので、内容を知らないからという理由で使わないのはもったいないですね。その制度を使うことで、何か気づくことがあるかもしれませんもんね。
R.H
やはり制度自体をもっと身近にすることや制度をより利用しやすい雰囲気を構築することも必要ですね。先ほども話したとおり、当社の特殊な事情(事業内容、拠点、転勤)に合わせて、会社と社員が一緒になって制度を構築できるとより良いものになるかもしれませんね。ワークライフバランスが取り上げられるようになったのはここ数年ですから、まだまだ改善の余地はあるかなと思っています。

TALK 05

これからの日鉄鉱業に必要な人材とは、
どのような人でしょうか?

R.H
基本的にどんな方とも一緒に働きたいです。強いて言うならば、しっかりとコミュニケーションができる、取ろうとする人がいいですね。お互いに聞きたいことを聞ける、言いたいことを言える関係であれば、お互いの仕事をカバーでき、円滑に仕事が進みますからね。
R.O
確かにそうですね。コミュニケーションはどの部署でも必ず役に立ちます。当社は一人一人に任せられている責任が大きいと思いますので、自分自身で考えて能動的に行動できる人がいいかもしれません。
M.U
責任を持つことを恐れずに、経験値を積めると思い、プレッシャーを楽しみながら仕事をできる人がいいですね。
T.O
私は、国内外の様々な拠点で臨機応変に対応できる人が向いていると思います。上司や先輩たちを見て、少しずつ慣れていければいいと思います。
R.H
私もそう思います。私はこれまで高知県と青森県で勤務しました。知らない土地に行っても、地元のイベントやお祭りへの参加や観光地巡りを楽しめる人にはすごくいい会社です。地域ごとでの生きがいを上手く見つけられるのなら、どこで働いても楽しいはずです。
T.O
それに、仕事だけではなく、プライベートでも様々なことが起こります。プラスとマイナスの両面があるでしょうから、会社の制度を上手く使いながら問題を乗り越えていける柔軟な人なら、当社での仕事を楽しめるのではないでしょうか。
R.O
社会人になると、転勤、結婚、出産などのように目まぐるしくライフステージが変化していきます。その都度臨機応変に対応する必要がありますが、ワークライフバランスを支える当社の制度を上手く活用すれば、安心して働けると思います。
T.O
R.Oさんの言うとおり、ワークライフバランスを支える制度が整っていて、そのうえで制度を気軽に使えるような雰囲気があるというのは、仕事と家庭生活を両立していくうえでもとても大切ですね。
M.U
必要な人材に話を戻すと、自分の考えに固執せずに、周囲の考えや新しい意見を受け入れようとする人がいいと思います。当社の事業内容はライフスパンが長く、それほど急速に変化していくものではありません。とはいえ、時代は急速に変化していきますので、周囲や時代の流れに敏感になり、当社にとって有益であり、変えていく必要があることは変えていこうとする姿勢が必要だと思います。
R.H
よく分かります。ワークライフバランスの制度の内容についても社内で意見が上がり、急速に改善されてきていますからね。私が最初に育児休業を取得した当時は、私が初めて育児休業を取得した男性社員でした。当時と比較すると、制度内容が改善され、育児休業を取得する男性社員がかなり増えてきていることはとても良い流れだと思います。
M.U
当社が必要とする人材が入社してくれたときに、子どもや家族のことを心配せずに長く働き続けることができるようにしておきたいですね。そのためにも、私たち社員がロールモデルとして制度をもっと活用したり、使い方を社内の皆さんに広めたりすることで、当社のワークライフバランス制度をより良いものにできればいいなと思います。