銅鉱山の開発

1975年のイランからつづく海外銅鉱山開発。

鉱業を営む会社には、産業の動きを支える安定感はもちろん、これから社会は何を必要としていくか、という先見性も必要です。石灰石と二本柱で日鉄鉱業を支える「銅鉱石」について説明しておきます。銅の使用用途は10円玉などの硬貨からパソコンや携帯電話をはじめとした様々な電子機器の部品や回路まで、石灰石と同じく日常生活の中で幅広く使われています。ユニークなところでは消臭剤の原料としても注目されています。現在、世界でも5本の指に入る銅消費大国日本において、「銅」の安定供給は、国内の産業を安定させることに直結するテーマです。

日鉄鉱業は、設立以来、釜石鉱山をはじめ、多くの金属鉱山の開発・操業に携わってきました。しかし、国内金属鉱山は鉱量枯渇の問題に直面していたと同時に、為替レートの変動等により経営環境は変化してきました。これに対応して、海外に資源確保の道を求め、世界の鉱山から銅鉱石を買いつける一方で、金属鉱山の探鉱・開発技術を活かして、海外銅鉱山の開発にいち早く乗り出しました。海外での銅鉱山の開発は、日本の社会に必要なことでもあり、私たちの経営にも重要なことだったのです。

1975年のイラン国カレザリ銅鉱山の開発をはじめ、南米コロンビア共和国のエル・ロブレ銅鉱山の開発、現在は南米チリ共和国にてアタカマ銅鉱山を開発・操業。さらにフィジー諸島共和国にて新たな銅鉱山開発に向け探鉱活動を行っています。また、1968年に、日比共同製錬(株)に資本参加し、以来、銅の製錬事業も継続しています。現在、同社への製錬委託により生産している銅地金等は年間約5万トン。 主に電線・伸銅メーカーに販売しながら、一部は海外へも輸出しています。地下資源の新規開発は、一朝一夕にしてなるものではありません。資源の安定供給のための「新しい挑戦」は、社会が鉱物を求める限り、これからも続きます。

銅の用途